知の発達段階について

思想的な言説を概観した時に、一つの仮説を立てることが可能なのではないか、と思う。

それは

1.定義

2.条件

3.反復

 

上記三つの段階を経て思想は発展することが可能なのではないか、ということである。

また、3.反復については、その思想を動的に定義する反面、現実性との乖離を契機として解体されてゆく。

 

また、その解体によって批判されたその思想的言説は、さらに定義を加えられ、条件付けられた末に再度反復する。

 

この、定義と名指したそれは、ある意味での差異化である。それは必然的にそれ自体での意味ではなく、何らかの関係を持った上で成り立つように思われる。

 

条件は、それらの定義における論理(因果・類似)が加わった状態を指す。

 

いわば、原子的な存在から分子的な存在へと昇華される。

 

それらが動的に動くことが反復にあたる。

 

反復はそれまでの定義、条件とは異なる性質である。なぜなら、その二つは静的であることに対して、これは動的であるからだ。

 

動的である、ということは、その言説がシステムとして活動することであって、またそこには、言語という静的なそれを構成要素として持ちながら、それ自体のシステムは反復する、という意味で現実性を持っている。

 

ただ、この現実性は、現実を描写した物であるが故に現実の時間的性質(流転)を原因として乖離してゆく。

 

その不可抗力としての乖離が思想的言説を限界たらしめ、結果的には解体されるのが思想という物なのではないだろうか。